自分らしいお庭づくりを演出するポイント
2016.05.30
素敵だなと思う日本庭園には、たいてい、植物の中に、アクセントとなる、自然石や加工して作られた石造物などが置かれていませんか。
例えば、景石(景色として据えらた石)、灯篭(とうろう)、つくばい、手水鉢(ちょうずばち)など。
石を置くことで、お庭が引き締まったり、その所有者の考えや個性があらわれるところでもあります。
ですので、石材選びや据え方が、自分らしいお庭づくり、こだわりのお庭づくりのポイントとなります。
ぜひ、自分らしいお庭づくりをされたい方、造園屋さんと相談しながら、ご自分でも積極的に石選びにチャレンジしてみてください。
庭づくりの過程から楽しむ。
これが、庭づくりの醍醐味でもあります。
当店でも、先代から集めてきた様々な石材があり、その中から、一部をご紹介します。
ちょっと変わり種を選んでみました。
◆親子カエルの置物
親の背中に子カエルをのせています。
お庭の点景として、苔とさびがいい具合に出ています。
お客様がまた、帰ってくるという意味の縁起物として、店先に置かれる方もいらっしゃいます。
その場合、カエルの向きには気をつけて下さいね。
約縦20㎝×横20㎝×高さ20㎝
◆矢印の手水鉢
矢印のような形が浮き彫りにされた角形の手水鉢です。
アップ写真でもわかるように、繊細な仕事が施されています。
モダンで個性的なデザインです。
約縦31㎝×横31㎝×高さ92㎝、花崗岩
◆宝塔笠形のつくばい
宝塔の笠(灯篭の頭の笠部分のようなもの)をさかさまにして、中央に穴をあけた、変わり種のつくばいです。
このように、当初の使い方を変えて、つくばいや手水鉢に転用することは古くから行われており、京都の古い庭園でも時々見られます。
通好みのものとして、好まれています。
約縦60㎝×横60㎝×高さ45㎝、花崗岩
◆珪化木(けいかぼく):木の化石
古代に何らかの理由で木が地中に埋まり、木が化石化して、石のように固くなったものです。
庭石と同じように、景石として使います。
約縦80㎝×横55㎝×高さ1m、外国産
ぜひ、石材選びから、 ご自分らしい庭づくりをしてみませんか。
当店では、他にも、石材(つくばい、手水鉢、灯篭、景石など)を多数取り揃えております。
ご希望により、資材だけでもお分けしております。
京都御苑は在来種のタンポポの宝庫です
2016.05.24
この10日間ほど、当社の実動部隊が東北に行っているため、個人的な話で失礼いたします。
先日、京都御苑に行ってきました。
毎週日曜日に、NPO法人都草(みやこぐさ)さんによる、京都御苑歴史散策ツアーが行われており、参加してきました。
長いこと、京都に住んでいながら、御苑内の歴史についてあまり知らなかったので、大変勉強になりました。
植物についても、いろいろと説明していただきました。
京都御苑内では日本古来からある植物を大切にしているそうで、ソメイヨシノなど比較的新しい樹木は植えていないそうです。
草花もまたしかり、タンポポもだそうです。
外来種のタンポポはできるだけ除去しているそうです。
ご存知の方も多いと思いますが、タンポポには在来種と外来種があり、現在では外来種や交配した雑種の方がどんどん多くなってきています。
街中では外来種の方が多くみられるのではないでしょうか。
在来種のタンポポ(京都御苑にて)
外来種のタンポポ(京都御苑にて)
在来種のタンポポと外来種のタンポポの簡単な見分け方は、写真の矢印のついている部分(総苞)の形の違いです。
外来種は総苞(そうほう)が反り返っており、在来種はぴったりくっついています。
後日、ほんの一部ですが、京都御苑内のタンポポを見て回ってきました。
確かに!
白砂の街路で区画された植栽部分では、外来種を見つけることができませんでした。
白砂の街路部分に雑草に紛れて、わずかに外来種のタンポポを見つけることができました。
でも、かわいそうで、お花を摘むことはできませんでしたが、、、
京都のヤマボウシは満開です!ヤマボウシとハナミズキの違い
2016.05.18
今、京都ではヤマボウシの花が満開です。
ヤマボウシは日本原産で、京都の庭園など古いお庭でもよく見られます。
一方で、ヤマボウシに似た木で、庭木や街路樹として人気のある、通称ハナミズキと言われている木があります。
こちらは、アメリカ原産のアメリカヤマボウシという木です。別名アメリカハナミズキとも呼ばれています。
詳細は省略しますが、ハナミズキは、日米友好で、日本が桜をアメリカに送ったお返しとして、1915年頃に入ってきた、日本では比較的新しい木なんです。
ですが、圧倒的にハナミズキの方が人気です。
ヤマボウシ
出典:建築知識別冊『緑のデザイン図鑑』
ハナミズキ(アメリカヤマボウシ)
出典:建築知識別冊『緑のデザイン図鑑』
ヤマボウシとハナミズキは、写真のように、お花(総苞片)の先端の形が若干違います。
ただ、圧倒的な人気の違いは、咲き方にあるのかもしれません。
ハナミズキは、花が咲きそのあとに葉っぱが出てくるので、桜のようにとても華やかです。
一方、ヤマボウシは、葉っぱが出てきた後にお花が咲くので、ちょっと地味、いやいや控えめなんです。
しっとりとした雰囲気のお庭にしたい場合は、ヤマボウシの方が合うかと思いますし、洋風の明るいお庭や華やかさを求める空間には、ハナミズキの方が合うかもしれませんね。
こういった樹木一つで、お庭の雰囲気はがらっと変わります。
新たなお庭づくりやお庭の改修をお考えの方は、木が持つ雰囲気の違いを見ながら、樹木選びをされることをおすすめします。
京都の庭師のこだわり
2016.05.14
今回は、当店代表のちょっとしたこだわりをご紹介します。
造園屋にとって、トラックは大事な仕事道具であるとともに、トラックに会社名を入れたりして宣伝に利用しています。
当店のトラックにも、店名ではないのですが、名前を書いています。
↓このような感じです。
左から、TOKUMURA、と“ 花文字 ”という字体で書かれています。
字体は代表のこだわりです。
ちょっとレトロでカッコイイ!
でも、読みにくいので、宣伝にはならないような、、、
こんなところへのこだわりですが、仕事へのこだわりと通じるものなのかもしれません。
当店では、北は青森から南は鹿児島まで、お仕事をさせていただいております。
お近くでこんなロゴの入ったトラックをお見かけの際は、是非、声を掛けてやってください。
世界に一つだけの庭園の石積みの塀
2016.05.05
先日は、京都のお寺さんの庭園の石積みの塀づくりをしてまいりました。
お施主様より古い石材を利用してつくってほしいとのご要望でしたので、
様々な形や年代、産地の違う石材をパズルのように組み合わせて、個性的な石積みの塀をつくりました。
石の持っている個性(でこぼこなど)を活かしつつ、バランスよく石が組み合わさるようにサイズを合わせて加工していきます。
どう組み合わせたら美しく見えるか考えながら、楽しそうに職人たちはノミを振っています。
世界にたった一つの、個性的な石積み塀となりました。
現在は、石は石屋、竹垣は竹屋、たたきは左官屋と分業することが一般的です。
代表は、昔は庭師は庭周りの事は何でもしたんや、と申しており、当店ではできるだけ自分たちで、それらの作業を行っています。
もちろん、大規模な現場や特殊な技術が必要な場合は専門職の方にお願いしていますが、小規模な庭などは、自分たちですることによって、コスト面や庭全体の雰囲気やバランスをコントロールしやすいので、そのようにすることが多いです。
もちろん、仕事が終わった後の片付けもきっちりと行います。