京都 早咲きの桜は満開です
2018.03.25
京都では、早咲きの桜が満開になっています。
昨日、維持管理をさせて頂いているお寺さんの一重のしだれ桜が満開になりました。
観光寺院ではないのですが、朝早くから桜の写真を撮る方が何人も来られていました。
京都市内の桜は、全体的にまだ咲き始め~3分咲きという印象です。
今週は暖かいようですので、一気に開花して、今週半ばくらいから見ごろになるのではないかと思います。
ぜひ、京都の桜を楽しんでください。
京都の造園屋 庭匠植清
高木の剪定道具
2018.01.28
大河ドラマ『西郷どん』を見ていましたら、以前当店が修復に関わった旧島津氏玉里邸庭園(名勝庭園)が出てきました。
個性的な形の灯籠や巨岩など、独特な魅力がある素敵な庭園です。
懐かしくも嬉しい気持ちで見ておりました。
ところで、現在当店では、年間管理をさせていただいている庭園で大きな松の剪定作業を行っています。
こちらの庭園内には重機を入れることができないので、はしごとロープで人力で木に登り剪定をしています。
はしごを使って木の高いところに登った後、そこからどうやって枝の先端の方を剪定するかご存知ですか?
いくら身軽な庭師でも、枝の先端まで行くことは難しいのです。
安定した場所に体を固定して、このような柄の長いのこぎりやハサミを使って、混みあった枝を切ったり、葉を落としたりして、形を整えていきますよ。
熟練が必要な作業です。
京都の造園屋 庭匠植清
庭のお正月準備
2017.12.08
こんにちは。
今年もあっという間に師走ですね。
12月は庭の手入れやお正月準備をされる方が多く、庭師も街中を走り回っています。
ところで、庭のお正月準備はどんなことをしているかご存知ですか。
庭木をきれいに整えたり、掃除をすることに加えて、竹垣や筧(かけひ)、井戸蓋など、竹製のものを新しいものへ取り替えるということを行います。
新しい青々とした竹に交換すると、空間が引き締まり、庭の雰囲気ががらりと変わります。
1年の始まりを清々しい気持ちで過ごしたい、そんなお正月にぴったりです。
また、この時期は良い竹が入手しやすい時期でもあります。
庭で使う青竹は、基本的には水分の少ない秋から冬に伐採したものしか使用しません。
春や夏に竹を使う場合は、退色しないように保管しておいたものを使うため、量や質が限られてきます。
ですので、竹製品の取り替えはこの時期がおすすめです。
筧の交換
四ツ目垣の施工中
鉄砲垣と御簾垣の施工中
京都の植木屋 庭匠植清
茶庭と寺院の庭が完成しました
2017.09.06
こんにちは。
日に日に涼しさが増してくる京都です。
季節の変わり目で、お体を崩されたりしていませんでしょうか。
以前、ブログでご紹介した和歌山市内のお庭が完成しました。
寺院の方丈とそれに隣接する茶室に面する庭園です。
「方丈の庭であり茶庭(露地)」ということが、今回計画するにあたってのポイントとなりました。
方丈の庭と茶庭は基本的には性格が違いますので、方丈からは風格ある寺院建物に見合う庭として見え、茶室側からは露地としての風情を感じられるように、1つの庭園の中で性格の違う庭が違和感がないように、緩やかにつなげることを意識しました。
また、計画する上で、樹木や灯籠(とうろう)など、これまでお施主様が集め大事にされてきたものを、できるだけ活用させていただきました。
機能的な面では、地形上の理由で、どうしても雨が建物側に流れてきてしまうため、建物前の排水機能を改善しました。
雨が降ると、建物前に雨と共に土が流れてきて、長い間に溜まった土砂により、排水機能が低下していました。
ですので、庭全体を地面がむき出しならないように、地被(今回は苔)で覆い、土が流れにくくすると共に、下の写真のように、建物まわりの比較的広い範囲を排水しやすい砂利敷きとして、その砂利の下に比較的大きめの排水設備を埋め込み、排水能力をアップさせています。
苔に関しては、お施主様が庭園に造詣が深く、苔の風情をお好みでいらっしゃいました。
ただ、今回の施工させていただいた地域では、京都に比べ湿気が少なく、苔が生育しにくい環境であったため、色々と検討した結果、地面にスプリンクラーを埋め込み、散水で湿気を補えるようにしています。
今年の関西は、暑い暑い夏でしたが、先日伺った折には杉苔は元気に生育しており、スプリンクラーの効果が出ているようでホッとしています。
お施主様には、信頼いただき当店にお任せいただきまして、心より感謝申し上げます。
茶庭づくりと飛石
2017.05.17
こんにちは。庭匠植清(にわしょううえせい)です。
一昨日、5月15日は、京都では葵祭でした。
偶然近くを通りかかり、少し見ることができました!
京都に長く住んでいながら、葵祭をきちんと見たことがなく、
来年こそは間近で見てみたいものです。
当店では現在、茶庭づくりをさせていただいてます。
職人たちが、着々と作業を進めています。
これは飛石を打っている(据えている)ところです。
飛石は、自然石で、平らな面がありつつ、
全体に丸みのある石を主に使っています。
茶庭の飛石は、歩きやすさだけでなく、景色としての見え方も大事です。
かの千利休も、飛石の打ち方について「わたりを六分、景気を四分」
と言ったといわれています。
わたりとは歩きやすさ、景気とは景色としての見え方、
趣(おもむき)という感じでしょうか。
その割合を6:4くらいで考えるのが良いという意味だと思います。
歩きやすさだけを考えて、目的地まで真っすぐ同じように、
飛石を打つだけでは、少し寂しいですよね。
飛石の配置を多少ばらつかせたり、樹木をよけるように配置したり、
違った石を組み合わせて使ったり、不自然にならない程度に、
飛石で景色を作るのが、茶庭づくりでは粋とされています。
お施主様や職人の遊び心があらわれるところでもあります。
今回は、比較的広いお庭ですので、
上の写真の丸い庭伽藍(にわがらん)を、ポイントとして使用しました。
余談ですが、千利休の弟子の古田織部は「わたりを四分、景気を六分」
と言ったといわれています。
古田織部は、それまでの常識を破り、斬新な茶の湯の世界観で一世を風靡し、
より遊び心あるデザインや芸術性を重視した有名な茶人です。
このように、“わたりと景色”のバランスは、お施主様しだいです。
使いやすさと同時に美しさも大事にしながら、飛石を一石ずつ、
丁寧に打っていきたいと思います。
店舗中庭の改修が完了しました。
2017.05.07
こんにちは。庭匠植清(にわしょううえせい)です。
店舗のお庭の改修が完了しました!
今回は、中庭の奥の壁と階段を、自然石の石積みに改修しました。
ちなみに、手前の中庭部分は、だいぶ以前に作らせていただいたものです。
ですので、既存の中庭の雰囲気や質感と、今回作る部分に違和感が出ないように、
風合いや素材感、色味などが合うよう、材料を選び使用しています。
ちなみに、設計は設計事務所さんによるもので、今回は施工をさせていただきました。
皆様、ありがとうございました。
高木の手入れ
2017.04.17
こんにちは。庭匠植清(にわしょううえせい)です。
先日、お客様のお庭で高木の手入れをさせていただきました。
高木は、しばらくぶりのお手入れとの事でした。
木が少し大きくなっていたので、今回は枝を大きく切り戻して、
樹形(じゅけい)を戻すための作業をしました。
木が大きくなりすぎてしまったり、樹形が崩れてしまった場合、
一度大きく枝を切り戻して、数年かけて徐々に骨格を作り直し、
その場所にあった木の形に整えていくという作業をします。
高木は手入れがしにくいので、つい後回しになりがちですよね。
気がついたら、木が大きくなりすぎて、お隣のお宅に越境してしまったり、
葉が茂りすぎて日当たりや風通しが悪くなったり、
枯れ枝が落下して建物を傷めることもあります。
お悩みの方は、一度ご相談下さい。
市民の方々と一緒に庭の復元作業をしました
2017.04.14
こんにちは。庭匠植清(にわしょううえせい)です。
以前、庭園遺構の復元をお手伝いした現場へ、管理作業に行ってきました。
柵ができていました。
こちらは、後鳥羽上皇が造営した、水無瀬離宮(みなせりきゅう)
の庭園の一部を復元した遺構です。
数年前に、離宮の池の一部が発掘され、地元の方々と一緒に復元作業をしました。
当店では、庭園の修復や復元を行うことは多いのですが、
一般の市民の方と一緒に復元作業をするのは、はじめてです!
小さいお子さんから歴史好きの年配の方まで、たくさんの方が参加され、
皆さんとても楽しんでくださいました。
ちなみに、後鳥羽上皇は平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて在位した天皇で、
後に隠岐の島に流されて、不遇な余生を過ごされた方です。
当店では、その隠岐の島でも、後鳥羽上皇に関係するお庭の整備に
携わらせていただいたことがあり、ご縁を感じます。
幼稚園、芝生の園庭
2017.03.20
こんにちは。庭匠植清(にわしょううえせい)です。
日に日に暖かくなってきましたね。
これからの季節は、木々が芽吹き、花が開き、植物たちが活発に動き始めます。
愉しみな季節です。
先日、当店では幼稚園の園庭に芝を張らせていただきました!
芝が青々としていますね。
日本の芝は、この時期、冬枯れして茶色っぽくなってしまうので、
通年青い状態が続く西洋芝を張りました。
本物の芝生ですよ!
それにしても、これだけの広さの芝生の園庭は壮観ですね。
芝生だと、お子さんが転んでも安心です。
保護者の方からも、芝の園庭は評判が良いそうです。
素材の質感
2017.02.06
こんにちは。庭匠植清(にわしょううえせい)です。
先日、玄関アプローチの石敷き工事をさせていただきました。
当店ではよくご依頼いただく、古い板石を利用した乱張りです。
乱張りとは、下の写真のように、
大小さまざまなサイズの石をパズルのように組み合わせて、張っていくことです。
施工後の写真です。
施工したばかりですが、以前からそこにあったような、なじんだ雰囲気になりました。
風情ある街並みや趣のある建物には、ピカピカの新しい石材を使うより、
古材を使う方がしっくりきます。
均一ではないいびつな形、年月を経て風化した表情など、
古材の質感が趣ある空間を演出します。
使う素材の質感が空間に与える影響は大きいです。
店舗の庭づくり2
2016.10.26
↑石と対話している様子です。
お施主様がお持ちの板石を敷いて、園路をつくっています。
板石は古材を使用しており、サイズも形もバラバラです。
規格品の石やタイルのように、機械的に並べることはできません。
ある石の中から、サイズや形の合うもの、
全体としてバランスがとれて美しいものを、
1つ1つ吟味しながら据え付けていきます。
手間はかかりますが、出来上がりの味わいが全く違います。
店舗の庭づくり
2016.10.06
このところの天気が不安定で、なかなか落ち着いて仕事ができない日が続いています。
外で仕事をしている植木屋にとっては、ちょっと困りものです。
ところで、先日より、店舗の駐車場の一角に庭づくりをさせていただいてます。
今回は、設計事務所のデザイナーさんがデザインされたお庭をつくります。
木や石などの材料は、お施主様がお持ちのものを使って、花畑をつくっていきます。
昨日は、板石を立てて、土留め(どどめ)にした、花壇を作りました。
当店の庭師Tくんが、板石の調整をしています。
この板石の高さを少しずつ変えて、動きを出しているのが、ポイントです。
もし、この板石の高さがそろっていれば、カチッとした雰囲気になりますが、それを少しずつズラすことで、動きが出て、柔らかい雰囲気になると思います。
デザイナーさんとのお仕事は、新たな発見があり、たくさんの刺激をいただけるので、とても楽しみです。
お施主様に喜んでいただけるよう、一生懸命つくっていきたいと思います。
京都、省スペースなお庭の施工事例
2016.07.15
いよいよ京都祇園祭の宵々山になりました!
祇園祭の山鉾を見に行きたくてうずうずしているのですが、仕事しています。
今回は、省スペースなお庭の施工事例をご紹介します。
以前に作らせていただいたお庭で、約4m四方の小さな中庭です。
お施主様からは、お持ちのつくばいに合わせてお庭を作って欲しいとのご希望でした。
小さな空間ですが、みずみずしく、奥行き感が出る様に配慮し、お持ちのつくばいにあわせて、周囲の石や木を選び、配置しました。
お庭の作り方しだいで建物も含めた空間が、がらっと変わります。
省スペースでも、庭師の腕にかかったら、素晴らしい世界観が作れます。
また、こちらのお宅のように和風のお家でないと、日本庭園が合わないと思っていらっしゃいませんか。
必ずしも和風のお家でなくても、素材(石や木など)を厳選することで、そのお家に合った、和のテイストを取り入れたお庭を作ることができますよ。
京都の造園屋、東京のお庭の手入れに行く
2016.06.24
ただいま、実動部隊は東京に行っています。
東京のお盆は、一般的なお盆よりひと月ほど早い7月中旬です。
ですので、お盆前のお手入れに東京のお施主様のお宅に伺っています。
今回のお施主様には、お庭づくりをさせていただいてから、毎年お盆前とお正月前のお手入れに、お声がけ頂いております。
いつも大変よくしていただきまして誠にありがとうございます。
心より感謝申し上げます。
作業後
作業前
作業後
作業中の様子
当店では、関東近郊へも定期的に出張しております。
関東近郊の方、時期は限定されてしまいますが、お庭の意地管理なども、お気軽にお声がけください。
お寺さんにハートの砂紋が!京都のお庭、当店の施工事例
2016.06.13
先日、当店で以前施工させて頂いたお庭を見て参りました。
京都で一般公開している寺院の中庭です。
石の使い方が、先代から受け継いだ、“らしさ”、を感じます。
特に、中庭奥の大きな石の周りに小さな石をゴロゴロとたくさん配している所など。
!!
石の周りの砂紋が、ハート型になっているではありませんか。
偶然なのか、わざとなのかわかりませんが。
お庭に愛着を持って下さっているのかなと、嬉しく思いました。
お庭を大事にして下さり、誠にありがとうございます。
実際にご覧になりたい方は、名前を出す事は控えますが、京都国立博物館近くの、長谷川等伯の国宝の障壁画が有名なお寺の中庭です。
ぜひ、隠れハートを探してみてください。
京都のお庭は剪定(お手入れ)シーズンです!マツの手入れ
2016.06.08
剪定シーズン真っ只中、お施主様のお庭の手入れに、毎日走り回ってます。
剪定とは、樹木の伸びすぎた枝、混みすぎた枝葉などを切り、形を整えて、風通しをよくする、手入れのことをいいます。
↑手入れ後(芽つみ後)
↑手入れ前(芽つみ前)
マツのお手入れは時間がかかります。
その作業の様子は、『マツにセミがとまっている』、と表現されるくらい、動いていないように見えます。
でも、しっかりと手は動かしているんですよ。ご理解くださいませ。
マツのお手入れは、年2回程行うのが一般的です。
今頃に行うのが、伸びてきた新芽をつむ、芽つみと言う手入れで、冬に行うのが、葉むしりと言う手入れです。
芽つみという作業は、写真のように、ぴよーんと伸びた新芽を、今後、どのように仕立てていくか(きれいな形を作っていくか)考えながら、新芽をつんだり、伸ばしたりします。
単純作業のように見えますが、色々考えながら作業しているんですよ。
新芽が伸びたままにしておくとマツの枝があばれて、形が崩れてきます。
元の美しい姿に戻すには、少々時間と労力がかかります。
年2回の手入れする事で、美しく、健康的な状態を維持することができます。
京都の庭園の竹垣の種類とオリジナル竹垣の製作
2016.06.05
今日は竹垣のお話です。
竹垣には、沢山種類があり、お寺さんの名前を付けた竹垣が多くあります。
そのお寺さんで使われていることから、その名称がつけられています。
その中でも、金閣寺垣、竜安寺垣や建仁寺垣などが、特に有名です。
このような有名な竹垣は、寺院の庭園だけでなく、個人のお庭でもよく使われています。
それぞれデザインに違いがありますので、庭園を鑑賞する際には、竹垣の違いを見るのも面白いですね。
出典:『竹垣』吉川功/有明書房
先日、京都市内の庭園の竹垣のやり替え修理をさせていただきました。
お施主さまからは、金閣寺垣や竜安寺垣などは、ありきたりだから、違ったものがいい、とのご要望でした。
ちょっと工夫を凝らし、オリジナルの竹垣の組み方をさせて頂きました。
作業中の様子
作業後
勝手ながら、徳村垣、と命名させていただきます。(笑)
数週間後
写真のように、数週間程度で徐々に青竹の色は退色します。
ですので、清々しく新年を迎えるにあたり竹垣を替えられる方が多いです。
その時期は、青竹が手に入りやすい時期でもあります。
逆に、今の時期に、青竹を入手するのは、少々難しいことでもあります。
代表はじめ、スタッフは庭づくりの好きな者ばかりです。
このような、こだわったご注文を頂くと、特に嬉しく、色々と考えながら、雨の中にもかかわらず、楽しそうに作業していました。
そういった、お客様に恵まれていることに、本当に感謝しています。
お庭に竹垣を設けると、お庭は一気にグレードアップします。
植栽はいいんだけど、何か今のお庭に物足りなさを感じる、もう少し洗練させたいなと考えている方、
竹垣でお庭をご自分らしく、変身させてみませんか。
個性的な石張り敷きの玄関アプローチ
2016.06.02
このところ石の内容ばかりですが、石屋さんではありません。(笑)
先日は、京都市内で玄関アプローチ部分の石張り工事をさせて頂きました。
お施主様より、世間に多く出回っているつるつるピカピカの石ではなく、風合いのある石で張って欲しいとのご希望でした。
また、車で出入りするとのことでしたので、ある程度の厚みのある板石が必要です。
他の業者さんに依頼したそうですが、そのような石が手に入らないとのことで、ご依頼をいただきました。
当社では、年代物の風合いのある板石を多く所有しておりますので、ご希望におこたえすることができました。
年代物の国産の板石は、現在のタイルのように薄くスライスされた板石と違って、厚みがあり車が通る箇所でも十分に耐えられます。
石加工作業中
石張り作業中
施工完了
デザインはお任せ頂いたので、今回も、パズルのように大小の石を組み合わせて、個性的な乱張り敷きの玄関アプローチになりました。
世界に一つだけのデザインで、お庭の石敷きや塀を作ってみませんか。
自分らしいお庭づくりを演出するポイント
2016.05.30
素敵だなと思う日本庭園には、たいてい、植物の中に、アクセントとなる、自然石や加工して作られた石造物などが置かれていませんか。
例えば、景石(景色として据えらた石)、灯篭(とうろう)、つくばい、手水鉢(ちょうずばち)など。
石を置くことで、お庭が引き締まったり、その所有者の考えや個性があらわれるところでもあります。
ですので、石材選びや据え方が、自分らしいお庭づくり、こだわりのお庭づくりのポイントとなります。
ぜひ、自分らしいお庭づくりをされたい方、造園屋さんと相談しながら、ご自分でも積極的に石選びにチャレンジしてみてください。
庭づくりの過程から楽しむ。
これが、庭づくりの醍醐味でもあります。
当店でも、先代から集めてきた様々な石材があり、その中から、一部をご紹介します。
ちょっと変わり種を選んでみました。
◆親子カエルの置物
親の背中に子カエルをのせています。
お庭の点景として、苔とさびがいい具合に出ています。
お客様がまた、帰ってくるという意味の縁起物として、店先に置かれる方もいらっしゃいます。
その場合、カエルの向きには気をつけて下さいね。
約縦20㎝×横20㎝×高さ20㎝
◆矢印の手水鉢
矢印のような形が浮き彫りにされた角形の手水鉢です。
アップ写真でもわかるように、繊細な仕事が施されています。
モダンで個性的なデザインです。
約縦31㎝×横31㎝×高さ92㎝、花崗岩
◆宝塔笠形のつくばい
宝塔の笠(灯篭の頭の笠部分のようなもの)をさかさまにして、中央に穴をあけた、変わり種のつくばいです。
このように、当初の使い方を変えて、つくばいや手水鉢に転用することは古くから行われており、京都の古い庭園でも時々見られます。
通好みのものとして、好まれています。
約縦60㎝×横60㎝×高さ45㎝、花崗岩
◆珪化木(けいかぼく):木の化石
古代に何らかの理由で木が地中に埋まり、木が化石化して、石のように固くなったものです。
庭石と同じように、景石として使います。
約縦80㎝×横55㎝×高さ1m、外国産
ぜひ、石材選びから、 ご自分らしい庭づくりをしてみませんか。
当店では、他にも、石材(つくばい、手水鉢、灯篭、景石など)を多数取り揃えております。
ご希望により、資材だけでもお分けしております。
世界に一つだけの庭園の石積みの塀
2016.05.05
先日は、京都のお寺さんの庭園の石積みの塀づくりをしてまいりました。
お施主様より古い石材を利用してつくってほしいとのご要望でしたので、
様々な形や年代、産地の違う石材をパズルのように組み合わせて、個性的な石積みの塀をつくりました。
石の持っている個性(でこぼこなど)を活かしつつ、バランスよく石が組み合わさるようにサイズを合わせて加工していきます。
どう組み合わせたら美しく見えるか考えながら、楽しそうに職人たちはノミを振っています。
世界にたった一つの、個性的な石積み塀となりました。
現在は、石は石屋、竹垣は竹屋、たたきは左官屋と分業することが一般的です。
代表は、昔は庭師は庭周りの事は何でもしたんや、と申しており、当店ではできるだけ自分たちで、それらの作業を行っています。
もちろん、大規模な現場や特殊な技術が必要な場合は専門職の方にお願いしていますが、小規模な庭などは、自分たちですることによって、コスト面や庭全体の雰囲気やバランスをコントロールしやすいので、そのようにすることが多いです。
もちろん、仕事が終わった後の片付けもきっちりと行います。
京都の茶庭(茶道のお庭)の剪定
2016.04.24
先日、京都市内の茶道の先生のお宅の茶庭の手入れに伺いました。
一昨年、作らせて頂いた茶庭です。
お庭は少しコンパクトなスペースでしたので、奥行き感が出るように植栽のバランスを配置し、また、お稽古でも使いやすいように、奇をてらわず、基本的な構成となるように作らせて頂きました。
1年ぶりに、伺った時には、モミジなど木々の葉が繁り、苔が踏み石を埋もれさせるくらい元気いっぱいの状態でした。
今回の手入れでは、樹木の透かし剪定と、伸びすぎたスギゴケをカットしました。
モミジの透かし作業中
モミジの透かしは、姿を整えるだけでなく、風や光を通るようにし、足元周りの苔や下草を生育させる目的があります。
また、こちらのお庭は隣家のブロック塀が近接しておりましたので、外周部の樹木は目線の高さの枝葉を徐々に繁らせて、目隠しになっていけるように調整しながら剪定を行いました。
高木の枝の剪定 庭師の技術
2016.04.05
・高木の枯れ枝が落下して、屋根や建物を痛めてお困りの方。
・上記の事でご近所からクレームを言われている方。
・大きくなりすぎてしまった庭木の扱いに悩んでいる方。
重機を入れて剪定するスペースもないし、大事にしてきた木を伐採するのも気が引ける。
お悩みの方は多くいらっしゃいます。
先日、長年お世話になっているお寺さんに伺いました。
境内の周囲には大きな杉が沢山あり、暴風で内部が腐った杉が倒れ、近くの建物を潰してしまったそうで、境内にある高木の枯れ枝の剪定をご希望されていました。
境内には重機が入らないため、25m近くある高さの杉4本の、落下の恐れのある枯れ枝を、人力で除去してきました。
はしごとロープでひと枝ひと枝ロープを掛けながら、慎重に登っていきます。
この作業はとても熟練を要する技術です。
危険な枝を除去し、さらに木全体のバランスをみながら自然な樹形になるように整えていきます。
人力で高木に登る技術と、自然に美しい樹形に整える技術が両方が揃って、お客様に満足して頂くことができます。
お陰様で、お施主様からは、杉が松のようになったとお褒めいただきました。
ありがとうございました。