京都、夏の特別公開の庭園情報
2016.07.23
今日は、この夏、特別公開される京都の庭園をご紹介いたします。
並河家住宅 並河靖之(なみかわやすゆき)七宝記念館の庭園です。
並河靖之とは、明治から大正期に活躍した、七宝(しっぽう)職人で、並河家住宅とは、靖之の自宅兼工房でした。
記念館に飾られていた、作品はどれも繊細で美しく、多くの外国人が買付けに来たそうです。
その靖之の自宅兼工房の建物と庭園がこの夏公開されています。
作庭は、七代目小川治兵衛(おがわじへい)という、明治から大正にかけて活躍した庭師の初期の作品です。
池が庭の半分くらいを占め、その池に張り出すような形で建物が建てられています。
日本庭園は、通常、鑑賞する場所を決めて、そこからの眺めが、一番美しく見えるように作庭されています。
建物があれば、たいていの場合、建物内からの、眺めを一番大事にします。
こちらの庭も、建物からみた水面との距離感が絶妙で、建物の高さと池の水面の高さが、よく考えられています。
また、もう一つの庭の見どころは、石です。
一般の住宅の庭にしては広いですが、広大な庭ではありません。
そんな空間に、とんでもなく大きな石や灯篭がふんだんに使われています。
ですが、圧迫感はなく、まとまりがあり、そのバランス感覚やセンスに、驚かされます。
日本庭園に限らず、現代の庭でも、庭全体のバランス、見る場所からの見え方を大事にすることは変わりません。
このようなことを、改めて感じる良い機会となりました。
★並河家住宅 並河靖之七宝記念館
場所、公開日などの詳しい情報はこちらです。