京都の庭園でよく使われている、沙羅(しゃら)の木とは?
2016.08.14
日本庭園でよく使われている、沙羅の木と言われる木は、本当の沙羅(双樹)の木とは違います。
お施主様から、沙羅の木を庭に植えてほしいとのご依頼が、時々があります。
また、京都のお寺さんでも、沙羅の花を名物にしているところもありますよね。
ですが、日本で一般的に、沙羅(正式には沙羅双樹)と言われる木は、ナツツバキを指すことがほとんどです。
下の写真は、当店で作らせていただいたお庭です。
左端の木が、ナツツバキ(通称:沙羅)です。
この木、よくみかけませんか。
お花が散る姿が、美しいので、人気のある木のひとつです。
では、本当の沙羅双樹の木は、どんな木なのでしょうか?
沙羅双樹の木は、お釈迦様がその木の下で、入滅(にゅうめつ:亡くなった)されたと言われています。
この木は、熱帯の木なので、日本で育てることはなかなか難しいです。
草津市立水生植物園公園みずの森の温室では本物の沙羅双樹が見られるようです。
出典『植物大図説』有明書房
ナツツバキとは、葉っぱも花も全然ちがいますよね。
木の高さは、30m位になるとか、、、
一方で、ナツツバキは、花びらが散るのではなく、花の形のままぽろっと落ちて散るのが特徴です。
その花が、足元に落ちている様子は、儚げ(はかなげ)で美しいですよね。
いつから、沙羅双樹と呼ばれるようになったのかは、わかりませんが、ナツツバキは美しいだけでなく、文学的で宗教的な名前を与えられたため、日本庭園で、よく植えられるようになったのではないでしょうか。